こけしの由来と「怖い意味」があるという俗説について
2015/05/12
昔は温泉地の民芸品の定番という扱いだった「こけし」。
今では若い女性の間で人気が高まっています。
「こけ女」という言葉があるくらい、こけしに夢中な女性が増えています。
また海外でもおしゃれなインテリアの小物として人気が広がっています。
たとえばフランスのパリや、アメリカのニューヨークでは、
商品を仕入れてもすぐに売り切れてしまうそうです。
やさしい顔やかわいい顔のこけしが増えたのも一因のようです。
仙台では秋保のこけし職人のこけし製作の様子を撮影した動画が
インターネット上で大人気になり、ちょっとした話題になりました。
そこでちょっと気になるのが、そもそもこけしとはいったい何なのか?ということ。
こけしの由来や本来の意味などについて、
正確に知っている人は多くはないようですし、
インターネット上では、怖い意味もあるという俗説も広まっています。
ここでは、こけしの由来と俗説の代表格である
怖い意味があるという点について整理していきます。
こけしの由来
こけしとは、丸い頭に円筒状の胴体からなっている木製の人形です。
こけしの始まりは、江戸時代末期にさかのぼります。
最初は東北地方の温泉地に来る湯治客の子供向けのお土産品として、
その土地の木地職人たちが製作したのが始まりとされています。
文化文政時代(1804年~1830年)に
蔵王東麓の遠刈田温泉(とおがった)が始まりで、
その後、天保年間(1830年~44年)に
福島県の土湯温泉(つちゆ)にも広まったそうです。
今でも子供たちがセルロイド製の人形などで、
ままごと遊びをしますが、当時はそれを木で作ったのでしょう。
なお大正時代に入り、
セルロイド人形やブリキ人形が大量生産されるようになり、
こどものおもちゃとしてのこけしは低迷していきます。
こけしの語源については、いろいろな諸説があり、
いろいろな呼び方もあって確かなものがありません。
そもそも「こけし」という呼び方が使われるようになったのは、
どうも昭和15年ごろのようです。
明治時代から昭和初期まで、地域によって様々な呼び方がありました。
木で作った人形という木偶(でく)が語源で、「きでこ」、「でころこ」、
「でくのぼう」といった呼び方や、赤ちゃんがハイハイしていることを指す、
這子(ほうこ)という言葉から、「きぼこ」、「こげほうこ」といったものや、
芥子人形からきた芥子(けし)という言葉から、
「こげす」「けしにんぎょう」といった呼び方もありました。
子供のおもちゃとしては、すたれたこけしですが、昭和10年代から、
民芸品として集める人が増え最初のブームがやってきます。
1939年(昭和14年)に宮城県の鳴子温泉で行われた、
全国こけし大会において、愛好家のグループからの問題提起で、
「こけし」の名前に統一しようということになりました。
それで「こけし」という名前が現在では一般的に用いられるようになったのです。
こけしに「怖い意味」があるといわれる俗説について
このように最近人気が広まってきたこけしですが、
ネット上には、こけしには怖い意味があるという説が広く出回っています。
結論から言うと、これは俗説であり、本来は怖い意味はありません。
どういうことかというと、
「こけしは、その昔、子供が多く生活が
苦しい家庭で生まれた子供を間引き=殺してしまうことがあり、
供養のため身代わりとして作られたものだ。
つまりこけしは、子消しである」という説です。
実はネット上だけでなく、
書店で販売されている雑学モノの本にも記載があったり、
普通に語られる豆知識の一つと考えられている、比較的有名な説なのです。
このような話が出回り始めたのは、どうも、1965年頃からのようです。
いったん廃れたこけしが再びブームになった時期にあたります。
誰かが何かの作品で紹介し、そこから紹介され、広まったようで、
当時はテレビで悲しい話として紹介されたこともあったらしく、
一般論として広まっていったと思われます。
もっとも「こけし」という名前自体、
仙台周辺でしか使われていなかった名前なので、
一般的な語源として引用する理由としては弱いと思うのですが、
まことしやかに広まっていったのには、
東北地方に実際にあった悲劇が背景にあったともいえそうです。
江戸時代から昭和初期にかけて、東北は大変貧しい地域であり、
子供を養子に出したり、
場合によっては生まれてからすぐ殺めるといった悲劇がありました。
しかしそのことを仙台の周辺では「もどす」と呼んでいたそうです。
つまり、まだ人間として完成していない赤ちゃんを
「神様へ戻す」という意味を込めて、そう呼んでいたのであり、
神様へお返しする赤ちゃんを「消す」などという
恐れ多い表現を使うことはなかったのです。
おそらくこれが説としては最も説得力があるものといえます。
以上のように、子供を「消す」象徴としてのこけしという説は、
まことしやかに語られていますが、
うわさの域を出ないものなのです。
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